データのプライバシー確保

データのプライバシー確保

Question

Cordaを使って、データのプライバシーを確保するためにはどうしたら良いでしょうか?

Answer

Transactionデータはピアツーピアベースで共有されるため、Cordaの台帳は最適にシャーディングされ、データは必要に応じて共有/保存されます。しかし、当事者は自分が直接参加者であるTransactionを受信するだけでなく、インプットステートのすべての過去のTransactionをトレースバックし、検証を実行する必要があります。これは特定のアセット・タイプにとってはプライバシー上の課題となる可能性がありますが、以下の機能により緩和することが可能です。

Confidential identities

公開されているアイデンティティに加えて、必要に応じてノードは自分の秘密の署名アイデンティティを自己発行することができ、これを使用してTransactionのプライバシーを保護することができます。また、保護されたプライバシーを必要に応じて解除するための組み込みFlow(IdentitySyncFlow)もあります

Reissuing State

アセットを償還したり再発行したりすることで、Transactionチェーンのサイズを小さくすることができる他、以前のアセット所有者のプライバシーを保護することも可能です。これは必要に応じて何度でも行うことができます。

Transaction Tear off

認証のために第三者(例:Oracles)にトランザクションを送信する必要がある場合があります。そのような場合において、機密性の高い要素や無関係な要素を隠したい場合がありますが、TransactionのTier offを実施することが可能です。そうすることで、特定の要素を隠さずにデータを暗号化しつつ、後で変更できないことを保証しながら、検査や署名のためにTransactionを第三者に送ることができます。

さらに、以下のようなプライバシー機能を積極的に開発しています。

Conclave

ConclaveはR3が持つコンフィデンシャル・コンピューティングのソリューションです。セキュアなハードウェア・エンクレーブ内で契約検証を行うことで、台帳全体を効果的に暗号化することができます。すべての依存関係のある取引は、安全なハードウェア・エンクレーブの外部で暗号化されているため、当事者は過去の取引について何も知ることができません。

ゼロ知識証明

口座残高や取引金額の証明など、範囲証明のための暗号プリミティブを開発しました。

Membership証明の設定

特定のMembershipに属しているか否かを事前にFlow内で確認し、当該Membershipに所属を確認できない場合、Txを送信しないという形でプライバシーを確保することが可能です。